響きと怒り/あの夕陽 [Blues]
南部の名家コンプソン家の没落を描いた『響きと怒り』。
前半2章は『ユリシーズ』並みに難渋。
文章が途中から斜体に変わって、時代や場面が頻繁にジャンプする。
白痴の三男ベンジーと自殺寸前の長男クェンティンの
目線で物語が描かれるから、かなり混乱する。
特にクェンティンは精神錯乱も甚だしく文章も崩壊寸前。
しかし第3章の主人公、次男ジェイソンは俗物的な男なので
後半グッと読みやすくなる。『ユリシーズ』は全編暗号のままだったけど
こっちは最後に暗号の解読まですることで、ギリギリ成立してる感じ。
"I Hate To See That Evening Sun Go Down..."
『フォークナー短編集』には、没落前のコンプソン一家を描いた
『あの夕陽』って短編もあって、そのタイトルの由来はこの曲らしい。
本日の1曲。Bessie Smith "St. Louis Blues"
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