死の床に横たわりて [Blues]
イエス・キリストは独特の構造で新約聖書に描かれている。
「福音書」の形を取り、いろんな人間が微妙に異なる視点で
この男の生涯を語るから、人物像が立体的に浮かび上がるのだ。
1人の女性の死を15人の登場人物の独白で描き出すこの小説で
フォークナーが試みたのは、その新約聖書のパロディーなのだろう。
というのも、主人公アディはキリストとは正反対の無神論者。
彼女の遺言のせいで、一家はとんでもない受難に巻き込まれる。
しかも、その受難をまともに受け止めた人間ほど、救われないのだ。
登場人物が『サートリス』と重なってたので手に取ったが、
フォークナーの一連の作品の中で、最も読みやすい部類では?
本日の1曲。Blind Willie Johnson "Jesus Make Up My Dying Bed"
2009-12-19 21:44
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