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今週の「バカは死ね」/「信頼という土台」の液状化 [Archives]

    

耐震強度の偽装問題で話題の「ヒューザー」だが
某大手広告代理店に勤める大学の同期が
その「ヒューザー」のマンションに住んでるんだとさ。

幸い、小島社長が姉歯建築士と知り合う前に
建てた物件で、かつ賃貸だから問題ないらしいが
それより心配なのは、もしかするともしかして
そいつは「家にいる方が安全」かも知れねーってコトだ。

思い出したのは、何年か前に聞いた業界話。
「汐留のあのビルはヤバいって」
飲みの席で切り出したのは大手ゼネコン社員。
「さすがにウチもあの仕事は受けなかったなぁ…」
実家の鉄工所を引き継いだ男が口を揃える。

俎上に上がったのは「ヒューザー」物件に住んでる
大学同期の勤務先。当時完成したての本社ビル。

ゼネコン業界の2人の話では、どーもこの代理店、
新社屋の建設費用を値切り倒しまくったらしい。

当時のゼネコン業界は不況のどん底。
そこに現れた久々の大プロジェクトの受注を巡り
熾烈な価格競争が繰り広げられたという。

代理店はその足下を見て無茶な要求を突きつけ
おかげでゼネコン業界では「あり得ない金額」まで
建設費用が下がったのだという。

その受注は受けなかった大手ゼネコンいわく
「受注を受けたジョイントベンチャーが途中で
 悲鳴上げて加わってくれと泣きついてきたけど
 ウチは断った」だとさ。

「価格競争」は経済を突き動かす基本原理だ。
例えば車を買う時、同じ車ならばより安い値段で
買える方がいいに決まってる。

でも、車じゃなくて「建物」だったらどーなのか?
そこで初めてゼネコン業界の実情を聞かされた。
実を言うと建設会社は、予算が決定した時点で
「それに応じた器を作る」のだという。

つまり予算に応じて、後から材質をそれ相応に
変えたり、材質自体減らしたり、下請けの業者を
締め付けることで、何とかして黒字を出す。
それが「当たり前」だというのだ。

考えてみりゃ確かに「当たり前」だ。
一旦作った車の部品を減らすのは不可能だけど
建物の場合は工事の前に予算が決まる。
外観や内装は変えられないが、見えない部分は
どーにでもなる。

そんなワケで大手ゼネコンいわく
「完成したあのビルにこの前行ってみたけど
 エレベーター安くして採算取ってるな」みたいな
業界の人間じゃなきゃわからねえ裏話を面白く
聞かせてくれた。

もっとも構造自体に問題がなけりゃいいのだが
鉄工所の跡継ぎも
「依頼は来たけど、無茶過ぎるから下りたわ。
 アレを受けた業者の気が知れねえ」だって。

だとすると…今、汐留に屹立してるあのビルには
一体どんな鉄骨やセメントが使われてるんだろ?

東京を大地震が襲った時、俺の同期は家と会社、
どっちにいる方が死ぬ確率が低いんだろ?
それをホントに確かめる方法はあるのだろーか?

そんなコトを考えていた最中、さらに笑ったのが
「ヒューザー」のマンションを「建築Gメン」に
調査させる企画を番組でやった、テレビ業界の
知り合いの話。

「建築Gメン」がビー玉転がしたりした結論では
「この物件はとりあえず大丈夫」。
ところが、それが後になって「偽装マンション」
と判明したんだとさ。

もはや「建築Gメン」さえデタラメだ。
「調査」って一体何?「信頼」って一体何?
土台が根本からグラついてる。
とどのつまり、どいつもこいつも脳ミソまで
液状化してやがる。


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