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ホントにあった『恐怖新聞』 [Archives]

夏の終わりに贈る「ホントにあった怖い話」。
これから書くコトはまさしく今、
俺の命を苛み続けている現実の恐怖である。

だが、それは読む者の命をも縮める危険がある。
それを心して読んでもらいたい。

真の恐怖とは作り話などではない。
ごくありきたりな日常の中にこそ存在する。
だから今回は普段余りしない身の回りの話…
俺の近況から報告しなければならない。

今、俺を苦しめているのは体内に巣食う悪魔。
何というか? 表現するのが難しいのだが
トーキングヘッズの「サイコキラー」的恐怖だ。

Talking Heads: 77

Talking Heads: 77

  • アーティスト: Talking Heads
  • 出版社/メーカー: Sire
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

"I' m Tense And Nervous And I Can't Relax
Can't Sleep 'Cause My Beds On Fire
Don't Touch I'm A Real Live Wire"

今抱えてる座骨神経痛は飲み薬が効かない。
神経が痛みと痺れを発し続けている。
まさに俺の体はさながら高圧電線なのだ。

    

そんなワケで最近使ってるのは「ボルタレン・サポ」。
座薬をケツに突っこむ様は他人に見せられた
もんじゃないが、痛みを抑えるにはコレしかない…

  

背骨の中にはブっとい神経が通ってるのだが
背骨と背骨の間のクッションの役割を果たす
「椎間板」が背骨の内側にスベリ込んじまって
中の神経を圧迫してるらしいのだ…

おかげで俺の場合は第五腰椎から右足全体の
神経に痛みが走る。だから外出や仕事の時は
「モーラステープ」も欠かせない。

    

冷感のシップは血管を収縮させるから
血行が悪くなって症状が悪化する。

加えて俺は糖尿だから血液がうまく濾過されず
足の毛細血管の血の巡りも悪くなってるようだ…

    

主治医の指示でまだインシュリンは使ってない。
今の所は漢方薬の「インチンゴレイサン」と
「カミショーヨーサン」、それと「ビタミンE」で
新陳代謝を活性する方向だ。

ところが…体重には気をつけてきたのに
再検査で血液中のヘモグロビンA1cの値が悪化。
糖尿の合併症を引き起こす可能性のある危険値に
いつの間にか逆戻りしていた。

気が滅入るから、いきおい抗鬱剤の量も増える。

    

日本じゃ認可されてないので輸入代行業者から
「プロザック」を手に入れて感情をチューンナップ
せざるを得ない毎日…

何を隠そう。俺は肉体も精神もイカれちまってる
クスリ漬けのジャンキーなのだ。
健康とはまったくもって縁がない。
一体何が俺の体を蝕んでいったというのか?

そこはかとなく知ってる人間は多いと思うが
俺の本職はテレビの放送作家だ。
実はつい3月までは心霊写真や怪奇現象を
取り上げる番組を7年間担当していた。

    

事実、その番組の台本を書いてる度に
俺の体は幾度となく病気に見舞われ、
仕方なくその番組を降板した経緯もある。
もしやそれは怨念がもたらした祟りなのか?

だが、主治医はそうではないと言う。
原因は「仕事のストレス」だという。

決して今の仕事に不満はない。
先日は担当番組の1つが視聴率30%を超えた。
最強のお笑い番組を敵に回して調子が上向きの
番組もある。金銭的にも不自由しない。

だが実際、俺の体が今の仕事にストレスを
感じているからこそ悲鳴を上げているというのだ。

正直に告白しよう。例えて言うと俺は
「寿司職人をなりわいとするベジタリアン」だ。

毎日魚さばいてるから、魚なんか見たくもない。
ホントは野菜しか口にしたくない。
でも生きる為に生き物を殺し続ける。
この自己矛盾が「毒」と化して心身を蝕むのだ。

「インポになった産婦人科医」って言い換えた
方がわかりやすいか?何しろ俺は飽きっぽい。
最初は面白そうだと始めてみた仕事でさえも
裏側を見過ぎると幻滅しちまう。

誰でも多かれ少なかれ仕事にストレスを感じる
ものだとは思うが、基本的に心底楽しんでたら
体まで壊すことはないと思うのだ。

そう考えると、今まで『ジェネジャン!!』で
俺が喋ってきたコトの意味が初めて自分でも
理解できてきた。

しごく簡単な話だ。俺の発言は何から何まで
「テレビが作り出す世論へのアンチテーゼ」だ。

テレビってのは「通りのいいコト」しか言わない。
ニュースでもドキュメントでもバラエティでも
あらゆる情報を極度に単純化したステロタイプ
に当てハメるコトで共感を引き出す装置こそが
テレビだと言える。

    

『オッカムの剃刀』という言葉をご存じだろうか?
14世紀のスコラ哲学者ウィリアム・オッカムが
神学論争で多用した原理で
「現象を説明できる仮説が幾つかあるなら
 よりシンプルな方を選ぶべき」という原理だ。

論理学や科学の世界じゃ常識とされてる原理
なんだけど、俺がギョーカイ入って知ったのは
この原理には落とし穴があるってコトだ。

背景が複雑だったり、長々とした説明を要する
問題をテレビは決してやろうとしない。
それは「シンプルな方が正しい」からじゃなくて
単に「ウケがいい」からだ。デタラメでも単純で
通りやすい話がウケるコトが余りに多すぎるのだ。

それでも仕事ってコトで割り切ってやってきたが
その辺りの「テレビじゃ言えないこと」が本業で
蓄積し続けた結果としてのストレスが俺の発言
につながってたのだ。

恐らく問題は俺が「神経質」だってコトにある。
俺の体は「神経」からストレスを警告してるし
本業へのストレスも「神経過敏」だからだ。

このブログで俺がやってるコトも実を言うと
「漠然と感じる事を意識して言葉にする」
ってコトなのだが、それって「神経」を通じて
外界を感覚的に捉えるコトから始まる。

しかし体は「それを突き詰めるのはやめろ」
とシグナルを発している。
『オッカムの剃刀』の盲点を説明するのにも
骨が折れるように、物事を突き詰めてるうち
知らず知らず俺の神経は磨り減ってたのだ。

歪んでるのが俺であろうと社会であろうと
考えるコト自体が俺にとっての「毒」であり
俺はこの「毒」で自家中毒に陥っている。
そしてそれが俺の命を縮めている。

でもそれを止めるのは多分不可能だ。
なぜなら俺は、この「毒」の虜と化した
ジャンキーなのだから。

とどのつまり、全ての快楽は毒なのだが
俺の場合は「歪んだ思考」という快楽が
毒と化して肉体を歪ませてる。

そしてそれがもたらす俺の人生の末路も
何となく見えてきた所で、そろそろクスリ
もキレてきた…

最後に読者にも警告しておかねば…
要は「通りのいい考え」に則って生きてる方が
処世術的に肉体へのストレスは低いのだ。
歪んだ考えはやっぱりカラダに悪い。

しかもその痛みは『リング』さながら伝染する。

  

歪んだ思考に共感する人間は、多分俺のように
不健全で悲壮な末路を辿るのだ…
要はこんなブログ読んでるヤツも知らないうちに
少しずつ寿命が縮んでくってコト。

    

そう、このブログこそ読む者の世界観を歪ませ、
寿命を縮める『恐怖新聞』なのだから…


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