素通り [歌謡曲]
〈COLEZO!〉ビクター流行歌 名盤・貴重盤コレクション(17)雨 あなたが帰る時
- アーティスト: 千家和也,松原史明,石坂まさを,浜圭介,漣健児,神坂薫,近藤進,馬飼野俊一
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2005/03/09
- メディア: CD
"道行く人は誰一人も 見向きもしない"
本日の1曲。三善英史 ”雨”
昭和おネエ歌謡 [歌謡曲]
男がおネエ口調で女の心情を歌う文化があった。
これだけ「おネエキャラ」が一般に定着したのだから
この手の曲が復権してもおかしくはないハズなのだが?
本日の1曲。黒沢明とロス・プリモス "ラブユー東京"
折れた煙草の吸い殻で [歌謡曲]
"折れた煙草の吸い殻で 貴男の嘘が解るのよ"
シャーロック・ホームズばりのアブダクティブな推理。
こんな観察眼と論理性を兼ね備えた女が騙されるとは類推し難い。
- アーティスト: なかにし礼,山口洋子,荒木とよひさ,秋浩二,内館牧子,永六輔,荒木一郎,原田ヒロシ,溝渕新一郎,竹内弘一
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 2006/12/06
- メディア: CD
元々"うそ"と承知で楽しんでたハズ。要はその"うそ"に飽きただけ。
自分自身を被害者として正当化することで浸れる、逆説的な快楽。
相手の手口の見え透いた瞬間が潮時。
本日の1曲。中条きよし "うそ"
欲張りババァは長生きで [歌謡曲]
環境問題つながり。
怪しい科学の見抜きかた―嘘か本当か気になって仕方ない8つの仮説
- 作者: ロバート アーリック
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2007/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
前作は「石油は本当に化石燃料か?」の部分が面白かったけど
今回は「地球温暖化は本当に心配すべきか?」の部分をはじめ、
選ばれたトピックと結論に、ことごとく意外性がなく冗長。
内容のインチキ度こそ「0」だが、俺のオススメ度も「0」。
そもそも「環境問題への懐疑的主張」ならこっちの方が充実してて面白い。
しかし、それにしても、ポピュラーサイエンスの優れた書き手たちでさえ、
何故「環境問題」に関しては、筆先が鈍ってしまうのだろう?
去年読んだコレも「環境守りましょう」が大前提で書かれてるから
読んでくうちに論理展開の綻びが気になって気になって仕方ない。
いつもは勧めるダイアモンドも、この本に関しては完全に駄作。
そもそもマトモな生物学者なら「全ての種はいつか滅びる」ことを
念頭に考えるハズだ。人類だけがそれに抗えるハズもない。
「今のままでは人類は滅亡してしまいます」だぁ?
自然は人間ごときに守られなきゃならないほどヤワじゃない。
数が多すぎてバランス取れないなら、滅びりゃいいのだ、滅びりゃ。
幻の名盤解放歌集 絶唱!野坂昭如 マリリン・モンロー・ノー・リターン
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Pヴァインレコード
- 発売日: 1999/08/25
- メディア: CD
"欲張りババァは長生きで 優しい娘は早死にだ"
本日の1曲。野坂昭如 "マリリン・モンロー・ノー・リターン"
砂漠の惑星/東京砂漠 [歌謡曲]
スタニスワフ・レムを読み始めたのはつい数年前。
再発された『砂漠の惑星』を読む。
レムは「圧倒的に理解不能な他者」に翻弄される人類を描くのが好きだ。
ユダヤ系ポーランド人としてナチスによる人種抹殺の恐怖を逃げ延び、
戦後は「体制/反体制」という枠組みを超越した「未来」のみを思考する
ことで、共産主義体制下を生き延びてきた男。
彼の闘いは「ありがちな反体制小説」などと安易な誤解を受けぬよう、
常に超然主義的観点から行われていた。
だからこそ「征服者気取りで宇宙を開拓しようとする人類」の愚かさを
唯一自分にとって完全自由な脳の中で嘲笑して、遊んでいたのだろう。
「地球の為」ではなく、「人類が快適に生きる為」だけに叫ばれている
現代の人間本位な"Egology"など鼻で笑ってたに違いない。
さて「砂漠」と言えば、こちらも多分、歌謡曲史上初の「エコ演歌」。
”空が泣いてる 煤け汚されて 人は優しさをどこに棄ててきたの”
「エコ」の原動力って、結局あれだな。
社会の変化に対して「漠然と感じる不安」に文句垂れたいってだけ。
具体的解決策とか不要。要は世相に苦言を吐く自分に酔いたいだけなのだ。
賢明なのは、温暖化とかどーでもよくて、この「トレンドとしてのエコ」を
後ろ盾に旧態依然としたエネルギー業界にもイノベーションがもたらされて
より生活が豊かになれば…ぐらいのスタンスか?
本日の1曲。
内山田洋とクールファイブ "東京砂漠"
此処は地の果てアルジェリヤ [歌謡曲]
1950年代の歌謡曲はリアルタイムで知らない世代から見ると意外と多様。
現代の日本の音楽シーン全体はこれよりさらに多様化しているハズだが、
ヒットチャートを見ると大半は若者向けJ-Pop。非常にバランスが悪い。
演歌とJ-Popを結ぶ何かが欠如している。
これが『紅白』をはじめ、音楽番組全般の不調にもつながっている。
そして多分、原因は作り手側にある。
最近は区分けするのが「マーケティング」だと勘違いしてるバカが多い。
新たなニーズを探し出して「新市場を開拓する努力」を全くしないのだ。
毛色の違うヒットは時々出るけど「ムーブメント」まで至らない。
マーケティングが機能不全だから、市場が硬直化するのだ。
この曲も、なぜアルジェリアを題材にしたのかは不明だが
何だかわからないその異質さが当時の流行歌全体の多様性に貢献している。
多分、日本では仕掛ける側が意識しない限り、流行に多様性は生まれない。
結局何が言いたいんだ俺は?
本日の1曲。エト邦枝 "カスバの女"桑港の中華街 [歌謡曲]
久々に横浜へ。金曜日の中華街。
なぜ「サンフランシスコ」なのか?
あの街には人々を郷愁に駆り立てる何かがあるらしい。
本日の1曲。渡辺はま子 "桑港のチャイナ街"
熊祭 [歌謡曲]
黒百合魔術 [歌謡曲]
新年早々、飲み過ぎてiPodを紛失。
昨日行った飲み屋に電話したら、そこにあるという。
天にも昇る心地で「すぐ取りに行きますので!」
だが、考えてみればおかしな話ではないか?
そもそも紛失しないに越したことはない。
しかも貴重な休日に野暮用で出かける羽目に。
黒魔術にでもかけられた気分。
ありもしない幸運を与えられたかのような錯覚。
さて、今、自分の中ではプチ古関裕而ブーム。
『オールスター家族対抗歌合戦』の審査員のイメージしかなかったが、
なかなか名曲が多い。
本日の1曲。織井茂子 "黒百合の歌"
昭和プロテスト歌謡 [歌謡曲]
Wikipediaによると、島倉千代子は『紅白歌合戦』に通算35回出場している。
にもかかわらず『東京だョお母さん』は1度も歌われていないという。
- アーティスト: 島倉千代子,竜はじめ,星野哲郎,荒木とよひさ,たかたかし,遠藤実,里村龍一,吉田旺,佐藤惣之助,新室内楽協会,コロムビア・オーケストラ
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2004/03/31
- メディア: CD
観光地化した「二重橋」で記念撮影するや、「九段坂」で戦死した息子を慰霊。
ただし手を合わせるのは、経済的繁栄の象徴としての「浅草」。
行動と道順だけで全てを語っている秀逸な暗喩。
ダイレクトな単語を使わなくとも、尖った内容は表現可能という好例だ。
惜しむらくは、メッセージ性を薄める為に追加されたと思しき野暮なセリフ。
著作権まで持ち出すのは大人げない行為だが、同様に「作品を歪曲された」と
怒り心頭の耳毛オヤジの主張もわからないではない。
本日の1曲。島倉千代子 "東京だョお母さん" (セリフ入り)