"I Want My MTV" Is Dead [Rock 1980's]
"Call Your Cable Company And Say I Want My MTV!"
自分が洋楽を聴き始めた80年代の初め頃、
洋楽のビデオを毎日ちゃんと見れたのは画質の悪いTVKぐらいで
早く日本でもMTVを24時間流して欲しいと心から願ったものだ。
それから四半世紀。日本の洋楽ファンの多くは
今のMTVにかなり不満を持っていると思う。
だってCNNやBBCはまだカネを払えば見れるけど
カネ払ってMTVジャパンに加入してもかかるのは邦楽ばっか。
これじゃスペシャとちっとも変わらない。
本場のMTVが24時間見られる日を心待ちにしてたのに、
今じゃこれだけケーブルや衛星放送が発達してるのに、
なぜ日本人はアメリカのMTVをダイレクトに見れないの?
残念ながら、"国境線の突破"までは不可能だったようだ。
日本の洋楽ファンが本来受け取って然るべき恩恵が
かなり厄介な参入障壁で妨げられているからだ。
例えば、本国MTVのホームページにアクセスしてみる。
ビデオクリップを見れるのは北米の視聴者に限られる。
レコード会社の権利が不必要に擁護されているからだ。
確かにビデオクリップはレコード会社の資産ではある。
でもビデオの制作コストはCDの売上って形で十分回収できてるハズで
最終的には社会に還元すべき文化的遺産を何十年も独占するのは不当だ。
日本のレコード会社もこの現状を放置している。
洋楽が入りにくい方が儲けやすいからだ。
Sonyに至っては今日この時点でも
日本のiTunes Storeで"Thriller"が買えないという
消費者無視のイヤガラセを平気で続けてたりするワケで。
それはさておき、販促用のビデオも流れないからCDも売れなくなる。
デフレスパイラルに陥った日本の洋楽市場が縮小したのは当然の帰結。
で、最も経済的損失を被っているのは、俺ら日本の洋楽ファン。
MTV世代の自分としては哀しい結論に到達せざるを得ないが、
音楽チャンネルとしてのMTVの社会的役割は既に終わっている。
まぁこれもグローバルな視点に欠けたバイアコムの自業自得なんだけど。
その代わり、今は好きなVideoを見たけりゃネットで検索するだけ。
このブログもそうだけど、もはや"I Want My MTV"と言うよりは
"Everybody Can Be His Own MTV"(?)って時代なのだ。
"I Want My, I Want My, I Want My MTV"
Stingがどっかで聴いたようなメロディに乗せて
かつて加担したプロパガンダのキャッチフレーズを連呼している。
ちなみにこのビデオは1986年のMVA大賞受賞作。
こういう批判さえ逆手に取っちまうMTVの企業文化自体は
今なお死んでないと信じたいのだが。
本日の1曲。Dire Straits With Sting "Money For Nothing"
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