Walking On The Moon [Rock 1970's]
アポロ11号の月面着陸40周年ってコトで
"One Giant Leap To Nowhere(行き場なき偉大な飛躍)"
と題したトム・ウルフのOpinionがNYTに寄せられている。
前半は『ザ・ライト・スタッフ』の続きを読んでる気分。
冷戦への恐怖がもたらした奇妙な熱狂やそれに伴う空騒ぎ。
時代の空気を解説する時のシニカルさは相変わらず。
でも後半の「NASAには宇宙計画を後押しする言葉の力が必要だ」
みたいな結論は何だかなぁ。
フォン・ブラウンの言葉を借りて高らかに宇宙計画へのロマンを
謳い上げるのは、アメリカの読者には心地いいんだろうけど、
かつての取材先に配慮して筆先が鈍ったようにも感じてしまう。
個人的には、現時点での宇宙開発は殆ど採算がとれてないし、
とりわけ有人宇宙計画は無理があると思う。
だって宇宙ステーションに人間を植民させたとしても、
放射線の被爆による骨密度の減少や遺伝子変異は深刻だ。
数世代したら、同じ人間と定義しうるかさえ未知数じゃねーか?
「一人の命は地球より重い」とかナイーブなコト言ってる段階で
そんな斬新な人体実験ができるハズもない。
だからまだ当分、宇宙に飛び出すのは機械に任せて
月や他の惑星は遠くから見てるだけなのが正しい。
ホントに月面を歩くなんてロクなもんじゃない。
人類の歴史に残る第一歩は壮大な無駄だったと率直に認め、
サンクコストに囚われないのが現時点では正解なのだ。
"Why Don’t We Just Do A Scarlett O’Hara And Think About It Tomorrow?"
ってウルフが書いてたけど、この曲にも"Tomorrow's Another Day"ってフレーズが。
本日の1曲。The Police "Walking On The Moon"
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