思考する言語 [Standard]
「2機の航空機が激突したWTCの損害保険の支払額は
事故1回分なのか?それとも2回分なのか?」
って問題提起から始まる、言葉の意味や概念に関する本。
これまで読んだ中で一番読みやすいピンカーの本だけど、
上巻は英文法の参考書を読んでるみたいでやや単調。
基本はチョムスキーを踏襲しつつ、その発展系って感じか?
エンジンが本格的にかかってくるのは中盤。
メタファーの話辺りから俄然面白くなってくる。
例えば、上の2つの図形。
どちらかが「malooma」、どちらかが「takata」と発音するのだが、
被験者に尋ねると、殆どは左が「takata」で、右が「maloona」だと答える。
そー言えば、よく似たネタをラマチャンドランも書いてた。
上は火星人の使ってる文字(って設定)なのだが、
どっちが「bouba」でどっちが「kiki」か?
これも95%以上が左を「kiki」、右を「bouba」と答えるらしい。
どうやら我々の脳には、尖った物体の「形の鋭さ」から
「キー!!」みたいな「音の鋭さ」を本能的に連想するらしい。
逆に「柔らかい形」には「ま」とか「ぶ」みたいな
「柔らかい音」を直感的に連想するらしい。
「まんまる」や「マシュマロ」。車を「ブーブ」と呼んだり。
でもって、こうした習性が共感覚の解明にも繋がるらしい。
下巻は「放送禁止のタブー語」やら
「ほのめかし」のテクニックについて。
日本に限らず、世界中の法律はなぜ文章が曖昧なのか?
財務官僚や外交官が回りくどい文章を書かなきゃならない理由まで
(そこは曖昧じゃなくて明瞭に)教えてくれたりもする。
"You're Much, You're Too Much,
And Just Too Very, Very To Ever Be,
To Ever Be In Webster's Dictionary!"
本日の1曲。Frank Sinatra "Too Marvelous For Words"
2009-06-05 20:25
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0