Rewind: Dance With You Tube [Archives]
数年前に「ダンスミュージック」をテーマにした
深夜番組を一緒にやってた遊び人ディレクターが
クラブイベントの初オーガナイザーをやることに
なったってコトで告知。
May 20th (sat) Open/Start 24:00 Finish 6:00
@青山「月見ル君想フ 」
詳しくはコチラを参照。
タイトルは〝REWIND〟
人気DJが6時間ぶっ通しのロングプレイで自らの
ダンスミュージック遍歴を振り返るのだそーな。
てなワケで! 今回はコレを機に自分にとっての
ダンスミュージックを話題のYou Tubeを使って
〝REWIND〟してみる。
というのも、モロに「MTV世代」の俺にとっちゃ
ガキの頃によく聴いてた曲の記憶のほとんどが
「音楽+映像」で脳にインプットされてるからだ。
とりあえず選んでみたのは次の5曲。
①Diana Ross 〝Upside Down〟
ChicのNile Rogersと今は亡きBernard Edwardsが
プロデュースしたこの曲が、『ザ・ベストテン』の
歌謡曲ばっか聴いてた俺を洋楽志向に変えた。
兄貴がこの曲をダビングしたテープをラジカセで延々
繰り返し聴いてて、いつの間にか俺もハマってた。
他にハマったのは今じゃ音楽じゃなくて生き様自体が
見せ物なMichael Jacksonの〝Rock With You〟とか
Queenの〝Another One Bites The Dust〟とか。
今は「ダンクラ」になってるこの辺りから聴き始めた
のが、クラブも行かねーし行っても殆ど踊らねーけど
観念論的ダンスミュージックフリークな俺のルーツ。
②Madonna 〝Into The Groove〟
マドンナで一番好きなのはこの曲だけど、それより何より
もう50近いのにレオタード姿で〝Hung Up〟を踊ってる
「クラブシーンから逃げないマドンナ」は偉大だ。
他にもイラク戦争勃発の2003年に〝American Life〟
のこんなビデオ作ったりして、世間を騒がせて楽しんでる
アティテュードもひっくるめて。
思うにダンスミュージックって四の五の言わず聴く者を
楽しませる強烈なサービス精神を持ち合わせる一方で、
実は音楽シーンで最もラジカルなジャンルだ。
パンクなんてタダのファッションで全く革新的じゃねえ。
常に変革をもたらしたのはダンスミュージックなのだ。
クラブシーンは流行の移ろいがとてつもなく速い。
目先を変える為に「異質な文化」を取り込んできた。
中にゃあコレとかコレみてえな変なのもたくさんある。
(笑った。まさかこんなビデオがあったとは)
でもそのどん欲さがヒップホップとかゲイカルチャー
を進んで社会に浸透させたのだ。
コレとかコレとかラテンフレーバーの取り入れだって
クラブシーンは早かった。
面白けりゃそれでいい。そこには差別も偏見もない。
そこがダンスカルチャーは絶対的に「善」なのだ。
③The KLF 〝What Time Is Love?〟
このYou Tubeの盛況ぶりを一番喜んでるのは、
おそらく〝The Kopyright Liberation Front〟
(著作権解放戦線)を名乗ったThe KLFだろう。
サンプリングで大量生産したクソみてえな曲と
IRAばりのテロリズム的プロモーション戦略で
UKチャートを席巻し、華々しく散っていった
奴らの全てが痛快だった。
著作権問題は前もコレとかコレとか書いてるが
先人が後世に残した過去のコンテンツは全て
基本「フリー」であるべき。この根本的矛盾を
一早く突きつけたのも実はダンスミュージック。
何のコトはねえ、俺もKLFをパクってるだけ。
④The Chemical Brothers 〝Elektrobank〟
DIRECTORS LABEL スパイク・ジョーンズ BEST SELECTION
- 出版社/メーカー: アスミック
- 発売日: 2004/03/05
- メディア: DVD
ビデオの監督はSpike Jonze。
踊ってるのは『ゴッドファーザーPart3』に
出てたコッポラの娘でSpikeの元カミさん。
『ロスト・イン・トランスレーション』の監督
でおなじみSofia Coppolaだ。
ちなみに上のDVDには入ってないのだが、
同じくSpikeのGAPのCMも笑った。
MobyとかThe ProdigyとかDaft Punkとか
Basement JaxxとかMassive Attackとか、
特に90年代以降のダンスミュージックって
ビデオクリップが秀逸だ。
アイデア一発でバカにカネかける豪快さが
映像界にも進化をもたらしてる。
その点でもダンスミュージックは偉大だ。
⑤Leonard Cohen 〝Dance Me To The End Of Love〟
クラブじゃ踊った後はChill Outがお約束。
てなワケで「ダンスミュージック」を広義に
解釈し、最後にこの曲を選ぶ。
ダンスミュージックは享楽的で刹那的で、
移ろいやすくとても儚い。しかしそれ故に
俺はダンスミュージックを全肯定したい。
ダンスミュージックを軽薄と揶揄するのは
この世の中でカネに目を背けて生きるのと
同じぐらい後ろ向きなのだから。
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